クリスマスを過ぎると、パティスリーやパン屋、スーパーのケーキ売り場に並び始めるガレット デ ロワ(Galette des rois)
毎年12月下旬から1月中旬ころまで、店頭に並ぶ幻の焼き菓子。幻というのは大げさですが、1月6日公現祭(こうげんさい)の伝統の焼き菓子なので、新年のお祝いにかかせないこのシーズンだけのガレットです。でも、1月中は何度でも食べます!
今回は、ベルギーの伝統菓子ガレット デ ロワを紹介します。
■ガレット デ ロワの楽しみ方は?
■おすすめのガレット デ ロワは?
ベルギーの美味しい焼き菓子はこちらも、どうぞ!
ガレット デ ロワは、どんな焼き菓子?
ガレット デ ロワ(Galette des rois)は、『王様のお菓子』という意味。
ガレット デ ロワの中には、フェーブ(Fève)という陶器の小さなフィギアが入っています。切り分けられたガレットにフェーブが入っていた人が、その日の王様、女王様になり、幸せな一年を送ることができるという言い伝えがあります。
一年の運試しができる伝統菓子なのです。
ガレット デ ロワを食べる日
クリスマスから12日目、1月6日が、ガレット デ ロワを食べる日となっています。
1月6日は、キリスト教の公現祭(Épiphanie)の日。キリストの誕生を祝うためにアジア、アフリカ、ヨーロッパの3大陸から訪れた東方三博士がお祝いの贈り物を持って訪れた日とされています。
フランスでも伝統菓子としてガレット デ ロワを食べる習慣があります。
ベルギーでは1月6日を過ぎでも1月中旬くらいまでは店頭にガレット デ ロワが並んでいます。一年に1回だけでなく、この時期はどこの家に招待されてもガレット デ ロワがデザートに出てくるので、何度も食べることになります。
ガレット デ ロワはどんな焼き菓子?
外はサクサク、中はしっとりしたアーモンドクリームが入った焼き菓子
折り込みパイ生地に包まれた、カスタードクリームとアーモンドクリームを合わせたクレーム フランジパーヌを焼いたパイ菓子です。
クレーム フランジパーヌが苦手な方には、アップルパイ風やアプリコットパイ風のガレットもあり、ちゃんとフェーブが入っていて王冠付きになっています。
ガレット デ ロワの楽しみ方
伝統的なガレット デ ロワの切り分け方
子どもたちが大好きなガレット デ ロワ。誰もが王様、王女様になりたいので真剣勝負です。フェーブがほしくて泣きだす子もいるので、不公平がないように気を配らなくてはなりません。
一番年下の子どもがテーブルの下に隠れます。切り分ける様子が見えないようにするためです。そして、切り分けられたガレットをその子が一人一人指名して渡します。
カットするときに、ナイフにフェーブが当たってしまうこともあるので、布巾などをかぶせて切ることがあります。そんなところにも、子どもたちの鋭い視線が注がれるので、切り分ける大人は責任重大です。
グループの中に子どもが一人だけのときは、その子にフェーブが当たるように大人たちが工夫することも!
晴れて、フェーブ入りのガレットを手にした人は、紙でできた王冠をかぶり、その日は王様、女王様になりみんなから祝福されます。そして、幸せな一年間が送れるという言い伝えがあります。
フェーブをコレクション
ガレット デ ロワの中に入っているフェーブ(Fève)はそら豆という意味。昔はそら豆をガレットに忍び込ませて焼いていました。
今は陶器でできていますが、お店によってさまざまなフェーブがあります。
ディズニーキャラクターやその年にヒットした映画のキャラクターから、車や人形、お店のロゴまでいろいろあります。
毎年、3つ4つはガレット デ ロワを食べることがあるので、フェーブを集めている子どもたちもいます。
本格的にコレクションしている人々もいて、フランスでイベントが開催されています。19世紀のマイセン製のフェーブなど高値で取引されることもあるそうです。
ガレット デ ロワの模様
よく見てみると、ガレット デ ロワのパイ生地に、いろいろな模様が描かれています。
これらの模様には、太陽をモチーフにした渦巻き、4つ葉、麦の穂、格子など縁起が良いとされているモチーフが使われています。
おすすめのガレット デ ロワ
10ユーロ前後でスーパーで買えるガレット デ ロワから、30ユーロ前後のピエール マルコリーニのガレット デ ロワまで、いろいろあります。
アーモンドクリームがたっぷり目が好み、パイ生地のサクッとしたものが好みと意見がわかれるところですが、いろいろ食べてハズレがなかったのは、評判のよいパン屋さんのガレット デ ロワは美味しい!ということです。
そもそも、ガレット デ ロワは庶民的なガレットです。箱詰めされるケーキとは違い、ショーケースの中で山積みで売られ、紙袋に無造作に入れて渡されたりします。
気軽に食べるのであれば、PAULでも美味しくいただけます。
イチ押しのガレット デ ロワ
ヴァン デンダー(VAN DENDER)
王室御用達のショコラトリー。チョコレートだけでなく、ヴィエノワズリー(菓子パン)も美味しいヴァン デンダー。期待を裏切らない美味しさです。自信をもっておすすめしたいガレット デ ロワです!
外側のサクサクのパイ生地に甘すぎないフランジパーヌ、そしてバターの風味、アーモンドクリームが苦手な人にも美味しさが伝わる逸品です。
それもそのはず、ヴァン デンダーでは、使用するアーモンドパウダーやバターの産地にこだわり、それらの配合や作り方にも長年の工夫が感じられます。
我が家が毎年リピートするガレット デ ロワです!
住所:LEUVENSESTEENWEG 416
1030 BRUSSELS
新年に食べるガレット デ ロワのまとめ
新年に食べるベルギーの伝統菓子ガレット デ ロワを紹介しました。
年末年始にベルギー旅行に来られたら、12月下旬から1月中旬くらいまでしか店頭に並ばないガレット デ ロワをぜひお試しください。
最近では日本でも購入できますが、本場で食べるガレットはひと味違うはず!そして、価格もお手頃です。
クレーム フランジパーヌはなかなか食べる機会のないクリームです。独特の風味がクセになるかもしれません。
一年の運試しに、ぜひどうぞ!