【ハーフの日本語教育】子どもをバイリンガルにするには親の覚悟が必要?

海外で子育てをしているハーフの子どもを持つ親の大きな悩みは、日本語教育をどうするか。
自然の流れでパパの言葉とママの言葉が身についてくれたら・・・と誰もが願うはず。

シュクル

しかし、何もしないでバイリンガルになる子どもはいません!

海外に住んでいようが、片方の親が外国人であろうが関係なし。親の覚悟と子どもの努力なくして、バイリンガルになることはありません。

子どもが生まれたときから、バイリンガル教育は始まります。

今回は、悩めるママやパパに向けて、『乳幼児期のハーフの子育て』についてまとめます。

この記事でわかること
  • 子どもが生まれる前に考えることは?
  • 日本語を教えないことはダメなこと?
  • バイリンガル教育で注意すべきことは?

海外で子育てをして私が考えたこと、実際に私のまわりで見たり聞いたりしたことを紹介します。

CONTENTS

子どもが生まれる前に決めること

日本語を継承していくか否か

妊娠したら、もしくは妊娠する前からパートナーと、どのような子育てをしていくかという話をしますよね。

そこで大切なのがバイリンガル教育について、夫婦の意見が一致していること。
学習方法の詳細はともかく、二人の考え方の方向性が合っていなければ、子どものバイリンガル教育を進めていくのはとても険しい道になります。

夫が外国人で妻が日本人で、夫の国に住んでいるというケースが多いと思いますが、マイノリティーな環境の中、マイナーな日本語という言語を教えていくというのは、とても覚悟のいることです。パートナーの理解と協力なくして進めることはできません。

  • 夫と妻がバイリンガル教育をしようという気持ちがあるか
  • お互いに理解と協力が得られるか
  • 日本の教育・文化をリスペクトしているか

日本語教育をしない選択はダメなことか?

シュクル

正解はありません。どちらがいいかということは、その家庭の考え方によります

日本語を教えなくてもいいのではないか?と迷うポイント

  1. この国に永住予定だから、この先、日本語を使わなくても生きていける
  2. 現地の勉強に遅れがでたら困る
  3. 家族の共通言語がなくなってしまう
  4. 子どもに負担がかかってしまうのではないか

だから、『バイリンガル教育はしない』という選択もあります。

パートナーの理解が得られない場合

日本語教育をしない選択をする理由に、パートナーの理解や協力が得られない場合があります。

  • 『妻と子どもが自分のわからない日本語で話すのは疎外感があって寂しい』
  • 『日本語を勉強することで家族の時間がなくなる』
  • 『補習校に行かせて土曜日まで勉強させるのはかわいそうだ』

など、ネガティブな考えを持つパートナーもいます。ある意味、正論です。
この意見がもっともだと納得できるのであれば、バイリンガル教育をしないことが家族の幸せになります。

シュクル

パパかママが、日本語を学習させるのは『かわいそう』という気持ちになったら、バイリンガル教育を考え直した方がいいと思います。
子どもは敏感に感じとり、自分が『かわいそう』なことをさせられていると考えます。

日本語を継承していくという選択をした場合

子どもに対してそれぞれの親が母国語で話します。ここがブレてはいけないところ。

生まれたときから、日本語で話しかけること

乳幼児期は圧倒的に母親と過ごす時間が長いので、ママの言葉がもっとも影響力の強い言葉となります。働くママであっても、パパと比べたら子どもに接する時間が多いのは母親ではないでしょうか。

母親が日本人の場合、ひとつの言語で接することを守っていたらインプットは自然の流れとなって、日本語を理解すること、日本語を話すことは、難しいことではないと思います。

もちろん、子どもの性格にもよりますので、すべての家庭に当てはまることではありません。

シュクル

子どもの日本語が出てこないと思ったら、一度、自分の日本語の会話を振り返ってみてください。
現地語が混ざっていませんか?無意識に現地語で話していませんか?
まずは、『徹底して日本語で話をすること』が重要!

幼児期に効果的だったこと

ママとの日本語のコミュニケーションがとても大切だけれど、一対一だと限界があります。もっと視野を広げるためにもいろいろなメディアやコンテンツを使いこなすのも重要なポイントです。

読み聞かせ

絵本の読み聞かせは、毎日続けることをおすすめします。単語はもちろんのこと、日本語のフレーズを音として聞くことは、とても大切なインプットです。
我が家の子どもたちが大好きだったのは、『ノンタン』シリーズでした。

Eテレ『いないいないばあっ!』『おかあさんといっしょ』

歌と踊りとお話に、子どもは夢中になっていました。
ヨーロッパであれば、JSTVと契約すれば見られます。
我が家は、中古のDVDを繰り返し見ていました。リアルタイムではないので、歌のお兄さんやお姉さんたちがひと世代前だったりしましたが、まったく気にならず!

学習DVD『しまじろう』

海外でも受講することができます。ベネッセこどもちゃれんじ
季節のできごと、お行儀のこと、お友だちとのルール、しまじろうから教わったことがたくさんあります。
我が家では、帰国する人から本とDVDを譲り受けました。これもまた、何年か前のものでしたが、まったく気にならず!

日本語のサークル

赤ちゃんのときでも、同じような月齢、年齢の子どもたちと遊べる機会は大切な時間です。
働いているママは平日は難しいと思いますが、週末に開催しているサークルもあるので、できるだけ積極的に参加してみることをおすすめします。
ママ同士もおしゃべりができて情報交換ができたり、ストレス発散になります。

日本語教育の壁

保育所、幼稚園に入るとき

ベルギーでは、生後3カ月からクレッシュという保育所に預けて働くママは職場復帰をします。会社によって育休を取ったり、時短で勤務ができますが、必然的に子どもと接する時間は短くなります。

そして、2歳半になると現地の幼稚園に通うことになります。小学校と併設している幼稚園が多く、遊びながら生活のルールや学習習慣を身につけていきます。だいたい9時から3時半まで現地幼稚園で過ごします。

母親から離れて、日本語以外の言葉が子どもの生活の中で使われるようになると、いっきに現地の言葉が増えます。

これは正常なことで、インプットとアウトプットが多い言語(たくさんの時間を過ごしている言語)が優位になることが当然です。

ここで、第一の壁が立ちはだかります。

第一の壁
  • 子どもの話す言葉に、現地語の単語が混ざりはじめる
  • 日本語で質問しても、現地の言葉で返事をする
シュクル

ママはきっちり日本語で話すこと!
根気よく日本語に直して会話をしていくことを徹底します

幼児期のバイリンガル教育で注意するポイント

日本語教育にこだわり過ぎない

なんだか矛盾しているように思えるかもしれませんが、日本語教育にこだわるあまり、現地語を排除するようなことはおすすめしません。

幼児のときに日本語、日本の文化を身につけてほしいから日本人幼稚園に入れる、という選択肢を考えるかもしれませんが、ゆくゆくは現地校の小学校に入学するという場合、現地語の遅れをとるかもしれないというリスクがあります。
日本語の基礎はできたけど、現地語の基礎ができなかったでは、小学校で勉強が始まったらついていけない、現地校の学校生活に慣れることができないなんてことも起こるかもしれません。

子どもが、この先、どこで何語で教育を受けていくかということを考えてみてください。

子どもの性格、適性をみる

現地幼稚園で、先生から言葉の遅れを指摘されることがあります。外国の場合、バイリンガル教育に理解を示している先生が多いのですが、中にはそのせいで言葉の遅れが出ているのではないかと言う先生もいます。

性格のせいなのか、本当に理解できていないのか、見極めることは大変なことです。ただ、一度立ち止まって、子どもの負担にならないよう考える必要があります。

ベルギーには、ロゴペディー(logopédie)という言語療法があり、カウンセリングや治療を受けることができます。ネイティブの子どもたちも発音矯正の指摘を受けて通うことはよくあることです。

セミリンガル

バイリンガル教育で、もっとも気をつけなくてはならないのが『セミリンガル』

日本語、現地語のどちらも日常会話レベルはできるけど、学習言語として深く思考したり伝達、表現したりすることができないことをいいます。『リミテッド』とも呼ばれます。

どちらの言語もしゃべれるけど小学生レベルでは、中学高校、そして大学での勉強に支障をきたし、専門的な仕事につくにも限界があります。

学校で使う学習言語が、子どもの第一言語に位置づけられます。この学習言語がしっかり身につけるということが、バイリンガルの成功につながるのではないかと思います。

ハーフの日本語教育のまとめ

シュクル

今回は、ハーフの日本語教育について幼児期の子育てをまとめました。
タイトルの、『子どもをバイリンガルにするには親の覚悟が必要?』の答えはYES!です。覚悟なくして、日本語教育はすすめられません。
お金と時間、そして忍耐と継続が必要です。
幼児期だけでなく、学童期、思春期と続きます。我が家は思春期に入りつつあり、壮絶なバトルはまだまだ続いています。
次は、学童期についてまとめていきたいと思います。

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