ブリュッセルの18歳はフランス語、オランダ語、英語が必須!トリリンガル教育

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2019年12月にブリュッセルの政府は、2024年までに18歳が、フランス語、オランダ語、英語をマスターすることを最優先課題とする活動方針を発表しました。

これは、学校教育で本格的にトリリンガル教育を強化するということになります。

■ベルギーの言語環境は?
■小学校、中学校ではどうやって勉強しているの?
■なぜトリリンガル教育に力を入れるのか?

2019年の統計では、ブリュッセルの人口は約120万人。180ヶ国の国籍の人々が住み、100以上の言語が話されています。日本語もその中のひとつ。
ブリュッセルはドバイに次いで、世界で第2位のコスモポリタン都市にあげられています。

今回は、そんな背景のもと、ベルギーの言語環境と教育について紹介します。

ベルギーの言語環境

ベルギーの公用語は、

  • フランス語
  • オランダ語
  • ドイツ語

『ベルギー語』というのは存在しません。

ベルギー南部のフランス語圏(ワロン地方)、北部のオランダ語圏(フランドル地方)、そして東部のエリアは小さいのですがドイツ語圏の地方に分かれています。

ブリュッセルの言語

ベルギーのほぼ真ん中に位置するブリュッセルは、フランス語とオランダ語の2言語併用地域。

初めてブリュッセルを訪れたときに戸惑うのが、駅や道路の案内板や商品表示に書かれている文字。法律で、フランス語とオランダ語の二つを表記することになっています。
慣れないとぱっと見るだけでは、どっちがフランス語でどっちがオランダ語かもわからないので混乱します。しかも、2つの言語を平等にしなければならないので、『先に表記する/後に表記する』のも不規則になっています。

ベルギーが多言語になった歴史

西ヨーロッパに位置する小国ベルギーは1830年、オランダから独立してできた王国です。それ以前は、フランス、オーストリア、スペインなど他国から領土を支配され続け、国の領有権が変わるたびに公用語が変わました。

そんな歴史的背景があり、言語だけでなく民族も複雑にからみあい、独立した後もフランス語だけでなく、オランダ語、そしてドイツの3言語が公用語になりました。

ベルギーの行政

複雑な民族と言語のベルギーは、行政の構成も複雑です。

『地方議会政府』は、ブリュッセル、フランドル、ワロンの3つの地域に分かれています。
今回の政策は『ブリュッセル政府』での方針になります。ガッツ(Sven Gatz)大臣(財政、予算、市民サービス、多言語、オランダ語教育担当)が発表しました。

現在の小学校におけるバイリンガル教育

ベルギーの義務教育では、フランス語とオランダ語の学習をします。
ブリュッセルには、フランス語の学校とオランダ語の学校に分かれています。

義務教育は、初等教育が6歳から11歳(小学1年1~6年)、中等教育が12歳から18歳(中学1年~6年)です。

幼稚園は2歳半から通うことができ、ほとんどの子どもが幼児教育を受けます。

フランス語の幼稚園、小学校のオランダ語学習

幼稚園(Maternelle、マテルネル)

カリキュラムは幼稚園ごとに異なりますが、歌や数字、簡単な単語など、遊びの中でオランダ語に接することが始まります。

小学校(Primaire、プリメール)

こちらも、カリキュラムは小学校ごとに異なりますが、小学校1年生からオランダ語の勉強が始まります。オランダ語のネイティブの先生が授業をします。
小学1年、2年生はオランダ語の授業はありますが、成績はつきません。

小学3年生から本格的な授業が始まります。試験があり成績がつきます。

小学5年生からは週4時間の授業があり、成績によっては落第ということもありますので、きちんと取り組む必要があます。

現在の中等教育におけるトリリンガル学習

オランダ語学習

中学生になると、それぞれの小学校で行ってきたオランダ語学習の差が出てくるので個人の差が広がります。授業時間も増え、試験の結果が成績に大きく関わります。
フランス語の次に時間数の多い教科です。

英語教育

中学3年になると、やっと英語の授業が始まります。

ラテン語

中学1年から、ラテン語の授業が始まります。学年が上がると選択教科になりますが、成績が悪い生徒は選択すらできません。
ラテン語は現代社会ではもう使われなくなった古典言語ですが、多くの学生が学んでいる言語です。

イマージョン(Immersion)教育

イマージョン教育とは、母国語以外の言語で教科学習を行い、外国語(第2言語)学習を同時に行うことです。
イマージョン教育を行っている学校は限られますが、人気が高く、バイリンガル教育への関心が高いことを示しています。

簡単にいうと、

  • フランス語の学校の場合、算数や理科、社会の授業はオランダ語で受け、体育や美術はフランス語で受ける
  • 時間割を曜日によって分け、月火はフランス語、水木金はオランダ語で授業を受ける

など、オランダ語の授業としてとらえるのではなく、教科学習とともに学校生活をオランダ語で行うというもの。

オランダ語だけでなく、英語でイマージョン学習を行う学校もあります。

小学校からイマージョン教育を取り入れている学校もあり、中学校になるとその数は増えます。

家庭での取り組み

フランス語とオランダ語のバイリンガルの場合、家ではフランス語で話し、オランダ語の学校に通うという家庭が多く見受けられます。
ブリュッセルのオランダ語の学校は、両親のうちどちらかがオランダ語の学校を卒業しているなどネイティブであることを入学の条件にしている学校があります。

家庭の言語と学校の言語を分けることで、バイリンガル教育が成功している例はたくさんあります。

また成功の一因として、ブリュッセルは2言語併用地域なので、フランス語もオランダ語も身近にあり、常に触れられる言語であるということもあげられます。

なぜ、トリリンガル教育に力を入れるのか

ブリュッセルを国際都市にするためにも、フランス語、オランダ語、英語を身につけることが必須であると『ブリュッセル政府』は考えています。

義務教育における第2言語、第3言語の学習カリキュラムについても新しく始動していくことと思います。英語教育を中学から行うのは遅いと感じている人々も多く、この政策には賛成意見が集まっています。

就職についても、ブリュッセルではフランス語、オランダ語、英語が求められる職業が多岐にわたり、当然ながらトリリンガルは就職に有利になります。

まとめ、ブリュッセルの18歳はフランス語、オランダ語、英語が必須!

シュクル
シュクル

先日、発表されたブリュッセル政府のトリリンガル教育について、現状の教育と見解についてまとめました。
この取り組みには、私も賛成です。学校教育の中で早期に取り入れて実施してほしいと思います。

 

ベルギー人はマルチリンガルが多いと感じられるかもしれませんが、中にはフランス語しか話せないという人も割といます。オランダ語だけという人も。民族的対立がいまだ残っているせいもあり、お互いの言語を受け入れられないでいる人たちもいます。

 

ただ、ブリュッセルでは、驚くほどいろいろな言語が飛び交っています。日本語を話すのが肩身が狭くなるなんてこともありません。
コミュニケーションの取れる言葉がひとつでも増えると楽しめる世界も広がるので、子どもたちには頑張って語学を身につけてほしいなと思います。

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